ひとはどんなときに本に出会うのでしょう。

何か答えを求めたいとき、新しい世界に踏み出そうとするとき、物語に没頭したいとき、知的好奇心を満たしたいとき、気晴らし、暇つぶし。世の中には数え切れないほどの本があり、1冊1冊との出会いは偶然であり必然、考えてみるとどこか神秘的な気もしてきます。

 

ここで登場する建築家、料理家、スタイリスト、アートディレクター、キュレーター。それぞれの分野で一流となった彼らにも、特別な1冊の本との出会いがありました。

建築家は普段あまり本を読まないと言いました。だけどただ1冊読み通した本。そこに記されていたことが、彼の発想力を支えています。スタイリストは今はなくなった美術専門書店の穴蔵のような佇まいを振り返りながら、美的影響を受けた1冊を紹介します。アートディレクターはとある図書室での秘密を打ち明けてくれました。

それぞれの足跡を追うことや、彼らが紹介する1冊を改めて読むことが、あなたの人生にどれほどの影響を与えるかはわかりません。ただ、誰かの人生の中で世界の見方をがらりと変えてしまったほどのパワーを秘めた本が、そこに並んでいることは間違いありません。

そして、その出会いを与えたのが図書館であり書店でした。国内外には、誰が足を踏み入れるのか不思議に思うような専門図書館と呼ばれる場所が、ひっそりと存在しています。ゲーテ専門の図書館、社史ばかりを集めた図書館、ミステリー文学だけを扱う図書館……。無数に生まれ続ける本を秩序立てて把握する図書館という大いなる場所。

 

本の宇宙を旅するきっかけをもらいに足を運んでみませんか。あなたに読まれたい本が、いつでも来訪を待っています。

二つの“記念”から学んだこと「大きな本棚」 ≫

藤本やすし #1  2016.2.15
日本がバブルに湧いていたころ、友人の建築家に頼んで天井高を利用した大きな本棚を事務所に作ることにしました。

二つの“記念”から学んだこと「地下の図書室」 ≫

藤本やすし #2  2016.2.16
黒表紙の写真集を抱えて図書室の階段をいっきに駆け上がりました。出版社の図書室から外部持ち出し禁止本をこっそり外に持ち出したのです。30年前のことです。

スターシェフの栄達を精神面で支えた「欧明社」 ≫

Olivier Rodriguez #1  2016.2.17
「フランス語に飢えていたので、フランス語書籍を扱う書店をいろいろ調べました」

料理人としての役割を学んだ、美食の教典 ≫

Olivier Rodriguez #2  2016.2.18
「たくさんの本を買ったけれど、どれもこれも日常に読む何気ない本ばかり。特になにかを学ぼうと目的があって買ったわけじゃないからね」とはにかみながら話を続けてくれました。

建築思念を再認識させられたトリハダ図書館 ≫

Makoto Tanijiri #1  2016.2.20
世の概念を打ち壊すかのごとく、新しい発想や表現で独特のオリジナリティに富んだ設計を発信する谷尻誠さん。2000年の事務所設立以来、いくつものプロジェクトを同時進行していることから、参考文献が豊富な専門図書館と深いつながりがあると思いきや、その答えは意外なものでした。

谷尻流儀の始動力となった野矢茂樹氏の哲学書 ≫

Makoto Tanijiri #2  2016.2.21
建築家、谷尻さんの本選びはジャケ買いがほとんど。建築、アート、写真集、食など、手にとるジャンルは多岐に渡ります。

ひらめきの場、表現の場として必要な美術図書館 ≫

Yuko Hasegawa #1  2016.2.23
アートと現代を結ぶ『東京都現代美術館』の地下1階にある美術図書室。そこがキュレーター長谷川祐子さんの“欠かせない専門図書館”です。

キュレーターのあり方を教わった恩師の著書 ≫

Yuko Hasegawa #2  2016.2.24
多くの美術書やアートブックに触れ、数多くの展覧会を成功させてきた長谷川祐子さんのキュレーター人生を支える大切な一冊が《When Attitudes Become Form》。

カルチャーが息づく思い出の書店 ≫

Yoshiyuki Shimazu #1  2016.2.25
1992年より中目黒駅前の2階にあった古書店『アートバード・ブックス』。オーナーでもあった加藤正樹さんがセレクトしたマニアックなアート古書を取り扱うその書店は、山手通り拡張工事により2009年立退きとなり、現在は店舗がありません。

一生をかけて追い続けたい自分のバイブル ≫

Yoshiyuki Shimazu #2  2016.2.26
アートバード・ブックスで、念願かなって手に入れることができた“ずっと探していた本”とは?
話すと長くなるんだけどと言いながら、ファッション業界に足を踏み入れるきっかけとなった少年時代の記憶をたどります。