パーティシーズンに、東京一クールなatoの新定番スーツ

筆者は定番スーツのボタン位置が好きでなかった。伝統的なスーツを着慣れた身には、第1ボタンはやはりウエスト周辺にあったほうが、ボタンをとめたときに上着が落ち着き、カラダに馴染むからである。

しかし、ストイックで頑固な物づくりをする創業者兼デザイナーの松本与さんが、長年定番としてきたこのスーツのフォルムを簡単に変更するはずがないと諦めていた。

だからだろうか、2016SSコレクションのスーツラインアップのなかに、1点だけボタン位置を少し上げたスーツ(それでもVゾーンは充分深く格好いい)が混じっていたのを発見したときは、我が目を疑ったほどなのである。なんとかコレが新定番スーツとして定着して欲しいと願っていたら、今季(黒ウールギャバ)そして来季(写真はベージュコットン。さらに黒ウールギャバもある)と引き続き登場しているではないか。

ato 17SS collection
Photo:ato

ちなみに、2017SSのテーマは『outsider』。映画『レザボア・ドッグス』や大映フィルムノワールともいえる『ある殺し屋』(主演 / 市川雷蔵)などに登場する男性像をモチーフにした、男っぽく、無駄を廃したコレクションは素敵なものだった。

NYでキャリアを積んだ松本さんは、以前ある雑誌で「海外で気づいた日本人の格好良さを服で表現したい」と語っていた。これからのパーティシーズン、非日常な都会の夜を闊歩するシャープな新定番スーツは、日本の大人の男性にこそ選択して欲しい。

 

Photo:Shuhei Toyama , ato – http://www.ato.jp/