パーティシーズンに、東京一クールなatoの新定番スーツ

モード逍遥#21

ファッションショーなどを観るとき、筆者は“そのデザイナーズ・ブランドがどんなスーツを作っているか”を評価の基準にしている。

サックスーツが誕生してから約150年もの歴史があり、近代メンズモードの制服と形容されるスーツは、デザイナーの力量をはかる指針になるからである。

スーツのデザインは難しい。紳士服の黄金期といわれる1930年代のスーツを単に復刻しても懐古趣味に終わるだけ。一方、独りよがりでアヴァンギャルドに走っても、スーツを深く知る紳士には見向きもされない。

メンズスーツを上手にデザインすることは、伝統を読み解く知性と美を創造するセンスの両方が必要なのだと思う。

しかしながら最近は、クールなデザイナーズ・スーツを見なくなった。海外の大手メゾンのいくつかは、ビジネススーツと見まがうような面白みのないスーツを出している。他方、華やかな芸能人が職場で着用するようなインパクトのあるスーツを、我々が日常で着るわけにはいかない。

どこぞに大人の男性が愛用できる日本のデザイナーズ・スーツがないかと考えたところ、候補が2つ挙がった。で、今回は東京一クールなスーツという目線で、その内の1つ『アトウ(ato)』を推しておきたい。