加藤登紀子のマダム・ジーナが唄う「さくらんぼの実る頃」がしみる『紅の豚』

オトコ映画論 #35

1992年に、宮崎駿監督が製作・脚本を手掛けた、日本のアニメ『紅の豚』(英語題 Porco Rosso) は、ファシスト党が台頭する1920年代、イタリア・アドリアーノ(アドリア海沿岸)が舞台となっている。自らに呪いをかけて‴豚“になってしまった中年パイロットの活躍を描く。

「紅の豚」
(C)1992 Studio Ghibli・NN
発売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン

第一次大戦時には、イタリア空軍のエースパイロットだった「ポルコ・ロッソ(紅い豚)」は空賊狩りの賞金稼ぎを生業とした男で、これは空賊たちが付けたあだ名で、本名はマルコ・パゴット。

一方、空賊連合は敵対するポルコを倒すため、アメリカのパイロット、ドナルド・カーチスを助っ人として雇い入れる。

ポルコはミラノへの道中にカーチスから攻撃を受け、愛機を大破させてしまう。ポルコは愛機をなじみのピッコロ社に修理依頼する。そのときに、孫娘フィオと出会う。そした最後は、シュナイダーカップで、ポルコ対カーチスの一騎打ちの大空中戦になる。

『刑事コジャック』のテリー・サバラスの声で有名な声優、森山周一郎が、重低音の声で扮する主人公ポルコ・ロッソのダンディズムが光る秀作だ。

「鼻の毛まで抜かれて血も出ねえ」や、「飛ばねぇ豚はただの豚だ」や「飛行艇乗りにとって大事なのは金でも女でもない。名誉と誇りだ」などのセリフもいい。糸井重里が作ったポスターの広告コピー、「カッコイイとはこういうことさ」がやけにハマる。