松坂屋銀座店跡のG6が選んだ6大ブランド、決定までを推理!?

砂漠のような東京でも…
週刊ファッション日記 #31

旧松坂屋銀座店の跡地に、2年の歳月をかけて再開発が進められて来たショッピングモールの概要が発表された。

2017年4月20日にオープンする、そのショッピングモールの名称は『GINZA SIX(ギンザ シックス)』。通称は、G6(ジーロク)ということになりそうだ。再開発は、森ビル、J.フロントリテイリング(JFR)、エル・リアル・エステート(LRE)、住友商事の4社によって設立された、G6リテールマネジメント(資本金5000万円、出資比率非公表)による。

J.フロントリテイリング(JFR)は百貨店の大丸松坂屋のホールディング・カンパニー、エル・リアル・エステート(LRE)はLVMHの創業者のベルナール・アルノー現社長兼CEOの不動産投資&管理会社である。

注目されたのは、やはり正面にメゾネット・スタイルで入る6つのラグジュアリー・ブランドであろう。G6の“6”とは銀座6丁目のことではなく、この6つのブランドのことを指すと言われたくらいだ。

向かって左(晴海通り側)から『フェンディ』(4層、地下1階~3階)、『ヴァレンティノ』(5層、地下1階~4階)、『ヴァン クリーフ&アーペル』(3層、地下1階~2階、以下V&A)、『サンローラン』(3層、地下1階~2階)、『セリーヌ』(2層、1階~2階)、『ディオール』(5層、地下1階~4階)に決定した(WWDジャパン10月31日号より)。

6ブランドのうち、『フェンディ』『セリーヌ』『ディオール』がLVMHグループ、『ヴァン クリーフ&アーペル』がリシュモン、『サンローラン』がケリング、『ヴァレンティノ』は、現在カタールの大手民間投資グループが出資するメイフーラ・フォー・イベストメンツS.P.C(以下メイフーラ)が現在の株主である。

LREが株主なのだから、正面6ブランドは全部とは言わないにしても、4つはLVMHグループ(“LVMHグループ”と書くのは、クリスチャン ディオール社が形式上、LVMHの親会社になっているため)から選ばれるのではないかと言われてきた。

つまり、「銀座に路面店のない『セリーヌ』『フェンディ』は当確で、あと2つは何か?」というのが当初の予想だった。

フタを開けてみると、6つのうち、LVMHグループは上記の2つに加えてなんと『ディオール』が選ばれた。ちなみに、50m先の晴海通りと西五番街の交差点には『ディオール』の大型の路面店があるし、松屋銀座にもインショップがある。

LVMHグループのファッション&レザー部門で最も重要な中核ブランドが、グループの売り上げ(4兆7000億円)の20%を占めると言われる『ルイ・ヴィトン』であるということは、アルノ―CEOがいつも言っていることだ。

一方、アルノ―CEOが最初に買収したラグジュアリー・ブランドは『クリスチャン ディオール』であり、最も思い入れのあるブランドなのである。ちなみに、もう一つ思い入れがあったのは、最初に自らが設立にかかわったメゾン『クリスチャン ラクロワ』であったが、これは黒字化しないままにメゾンを閉じた。

そういうわけで、『ルイ・ヴィトン』(これも100m先には松屋別館に大規模な路面店を擁している)か、『ディオール』なのか、というのは業界雀の格好の話題になっていた。いずれにしても、最終決定はアルノーCEOが下すのである。

アルノーCEOが「銀座の『ディオール』のブティックが周辺のブランド・タワーに比べて小さすぎる」と言い続けてきたというのはよく耳にしていたし、『ルイ・ヴィトン』は数年前に大増床したばかりだし、どうも『ディオール』ではないのか言われていた。そして、昨年『WWDジャパン』がクリスチャン ディオール社のシドニー・トレダノCEOにインタビューした際、G6への出店をスクープしていたが、やはりその通りだった。