日本で日本酒体験を楽しむ訪日外国人が酒市場にもたらす変化とは!?(下)

佐渡からの日本酒通信 #17

前回コラム(佐渡からの日本酒通信 #16)にて、海外で日本酒の魅力に触れた少なからぬ人達が “日本で日本酒を体験する” ことを楽しみに来日していることと、訪日外国人がもたらす現象について考察してみました。今回は、その現象から期待できる、“日本人による日本酒市場の変化”について考えたいと思います。

例えば、日本酒を置いている飲食店の立場になってイメージしてみましょう。訪日外国人増加についてはニュースを見るまでもなく、最近は街を歩くと外国の方が増えてきたことを感じている。英語メニューもあった方が親切だなと思いつつ、2020年のオリンピックまでにと緩やかな目標を立てて手つかずの状態。

現状では、日々のお客様はほぼ100%日本人。それなりの日本酒ラインナップもあり、今まで通りで不自由はない。そんな飲食店が多いのではないでしょうか。

しかし、次の瞬間、目の前に海外からのお客様が立っていたら?

さぁ、大変! その訪日外国人は、軒先に置いてある大きな樽に誘われて入ってきたのかもしれません。はじめて接する海外からのお客様に、日本酒なるものをどう説明しようかと頭はフル回転を始めます。とりあえずメニュー。あぁ、日本語しかないっ!

冷汗しつつも身振り手振り、中学英語総動員で言葉を尽くす姿が目に浮かびます。

誰もが同様の立場に立てば、遠い国から来た人達に日本の國酒の魅力を伝えようと努力するに違いありません。だって目の前のお客様は“日本酒をよく知らない人”(もちろん例外はありますが)。

たとえ英語力が芳しくなくとも、いえ、むしろ言葉が通じないからこそ、創造力を最大限に発揮して工夫を凝らすことでしょう。大事なことは英語力より“伝えたいという気持ち”(両方あれば尚良し)。何度か似た場面が繰り返されるに従い、店主は日本酒の魅力を伝える“おもてなし”のスキルを手に入れ、お客様は “日本酒との素敵な出会い”を手に入れることになるのです。

ところで、ここで“日本酒をよく知らない人”という枠組みに注目してみましょう。確かに海外の人は“日本酒をよく知らない”のが一般的でありましょう。では、果たして日本人はみんな日本酒をよく知っているのでしょうか?