日本で日本酒体験を楽しむ訪日外国人が酒市場にもたらす変化とは!?(上)

「本場で飲んでみたい」、そう考える人が多いのではないでしょうか。ワインの愛好家がボルドーやブルゴーニュ、ナパやトスカーナを訪れ、彼の地の風に吹かれながらワインを飲みたいと願うのと同じです。

すなわち、訪日外国人のうち、少なからぬ人達が“日本で日本酒を体験する”ことを楽しみにしているに違いないのです。

これによって、何が起きるのでしょう? すでに散見されるのは、“酒蔵ツーリズム”と呼ばれる新しい観光スタイルの広がりです。

酒蔵を中心に、酒を生んだ生産地の田圃や食文化、郷土文化に触れるための旅。大人数で爆買いをするタイプではないと思いますが、酒蔵というものが日本の地方隅々まで散在しているおかげで、都会から遠く離れた地方に足を向けてくれるきっかけを生んでくれます。

もちろん、日本酒の消費も増えるでしょう。実際、銀座や麻布、渋谷の酒バーで海外のお客様と遭遇することが筆者自身も増えてまいりました。一瞬、「ここはNYかロンドンか?」と、錯覚しそうになるほどに、お店のサービスも洗練されていたりして。

現時点においては、そんなお店はまだまだ数は少ないのでありますが、“海外から日本酒を求めて来日するお客様”は確実に増えていると言えます。

本物の日本酒体験に触れたお客様は、お土産に日本酒を求めることもあるでしょうし、旅の途中や帰国後にその体験をSNSで周囲に発信してくれることもあるでしょう。そのことが結果的に、海外マーケットにおけるさらなる日本酒需要拡大、そして日本酒の輸出拡大に寄与します。

しかしながら、私は敢えてこの現象を別の視点から考えてみたいとも思っているのです。
それは、日本国内で起こる日本人による日本酒市場の変化。“日本人がもっと日本酒を飲む時代”への幕開けという側面です。

(続く)

 

Photo:梵智丸 / PIXTA(ピクスタ)

motoko / PIXTA(ピクスタ)