世界一のシェフ、イタリアの『オステリア・フランチェスカーナ』のマッシモは、社会派シェフでもある!?

レストラン熱中派 #27

先日、たまたま首にかけていたチャームを日本橋のイタリアンシェフに自慢してみた。

「これ、今年世界一のレストランになった、『オステリア・フランチェスカーナ』のマッシモシェフにもらったの。トルテッリ(餃子のように具を包み込んだ手打ちパスタ)なんだけど、わかる?

「え、ホントですか? スゴイ! トルテッリだ。鳥肌立った! 写メしていいですか?」とそのシェフは大興奮。

小指の先ほどの小さなチャームは、ちょっと見には“シジミ”にしか見えないが、イタリアンの心得(相当、マニアックだが)がある人にとっては“あの世界一のシェフのスペシャリテ”だと見破れるのだ。

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マッシモ・ボットゥーラシェフに初めて会ったのは、2009年、ロンドン。『The World’s 50 Best Restaurants』略して『フィフティ・ベスト』の授賞式会場だった。

当時、私はこのランキング事務局のメンバーだったので、毎年授賞式に出席し、世界一のレストランが選出される舞台を目の当たりにしてきた。

初登場で14位(これもセンセーショナルな高順位)だったマッシモはその7年後(つまり今年)見事1位に輝いた。クリエイティブで個性的かつ時代の先端を行くレストランがしのぎを削るこのアワードで、イタリアが1位になるのは初めてのこと。これは長年、マッシモが唱え続けてきた料理への理念、“伝統と革新の融合”の成果であろう。

マッシモ・ボットゥーラシェフは、自らの料理哲学について語り出したら止まらない。イタリアの中でも飛びぬけて“語る”シェフだ。

言葉にすることで彼自身の考えをまとめ、論理的に完成させ、さらに新しい表現を探しているからだ。マッシモは伝統料理の背景を深く調べ、表現に個性を発揮する。イタリアの歴史、風土、文化すべてからストーリーを作るのだ。