トマトを使わない「昔ながら」のイタリア料理を追及するシェフ ~愛媛県西条市 オステリア・アリエッタ Vol.2

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自然に恵まれた、愛媛県・西条市。ここで、オープン以来、地元の人たちを中心に愛されているイタリアンレストラン、オステリア・アリエッタ。

全部で14席の店を、オーナーシェフの山本一守さんご夫妻が二人で切り盛りしている。その温かい店の雰囲気と、旬の地元の食材を使った正統派のイタリア料理で、決して大きくはないこの町に、この店目当てで訪れる遠方からの客も少なくない。

イタリアの伝統料理に魅せられ、その美味しさを追及し続けるシェフの、郷土愛とは?

 

—ご自身がお料理で目指されていることは何ですか?

イタリアの“昔ながら”の伝統料理を作りたいんです。イタリアでの修業時代に、田舎町を訪れて、そこにある店にふらっと入るとたいていそういう店はマンマが料理を作っていて。

それが実に美味しかった。美味しかったからこそ、「自分もそういうものを作りたい」とストレートに思ったんです。

イタリア料理の魅力は、時代の流れに流されない郷土料理を愛することが出来る所です。どんなに華やかで最先端の料理を見せられても、興味が湧かないんです。

それよりも、昔ながらの郷土料理を、いかに現代の人に美味しく食べていただくかに腐心することにやり甲斐を感じます。

 

—“昔ながらのイタリア料理”とは具体的にどのようなものでしょうか?

トマトがイタリアに入る前からある料理も含めて、ということです。イタリアにトマトが入って来たのは、まだ400年くらいのものです。その前からある伝統料理も追及して行きたいんです。例えば、この店のミネストローネは、私のイタリア時代の師匠の師匠の得意料理でもあった、ピエモンテの昔ながらのもの。

トマトは使わず、カボチャを少しつぶしたものが入ります。あとは、ローマの郷土料理である仔羊のグリリアとか。時代を超えておいしい料理がイタリアにはたくさんありますから。

以前、イタリアで見つけて買ってきた「LE RICETTE REGIONALI ITALIANE」という、1967年に発刊された古い本があるのですが、その本は、イタリアの伝統的な郷土料理について書かれています。それを読んで、再現してみたりもしますね。

「LE RICETTE REGIONALI ITALIANE」
”イタリアの郷土料理レシピ”という意味。

アマトリチャーナというパスタも、今ではトマトソースが主流ですが、それ以前はビアンコといって、トマトを使わないアマトリチャーナが食べられていたんです。そのレシピで作ってみたら美味しかったですよ。メニューには出してないのですが。