ブルガリ・レストランのルカのリゾットが絶品な理由

レストラン熱中派 #27

連載No.25、26でご紹介した2年間にわたるブルガリの試みは、いま考えてみてもなんと贅沢だったのだろうかと思う。

東京に居ながらにしてイタリアでも最旬のコンテポラリー・イタリアンを味わえたのだから。その陰にある、ゲストシェフの料理を再現すべく努力を繰り返すブルガリのスタッフたちの能力も評価したい。

忙しいシェフたちに、日本でのディナーのレシピを早く決めて欲しいと頼んでも、直前まで届かないことも多かったとか。

ルカ(ファンティンシェフ)は、招待したシェフのメニューをチェックして自分の料理を決めるわけだから、内容にも時間にも制約が多い。その料理を実際に作る厨房の料理人たちはさらに緊張していただろう。ただ、現場のスタッフたちはこの2年間でずいぶん鍛えられたと思う。動じない。撮影の回を重ねる度に手際がよくなるように感じられた。

何回か終えたあと、ふと気が付いて「ルカはリゾットを出すことが多いね。リゾット好きなの?」その時、彼は「うん、嫌いって訳じゃないけどね……」と口ごもった。