日本が誇るジーンズのセルビッチは無用の長物!?

モード逍遥 #17

ジーンズはゴールドラッシュのときに考案された頑強な作業パンツが原型だ。アメリカが生み出した最高の発明のひとつだという人もいる。

しかし20世紀後半になると日本が注目を浴びるようになる。戦後、岡山や広島でジーンズを作っていた人々の後継者が、ジンバブエコットンなどの高級な綿をわざわざむら糸に紡績。シャトル織機によってヴィンテージなデニム地を復刻したのである。

製造には何種類ものコットン製ステッチを使い分けるなど、こだわりのディテールを満載し、最後はユニオンスペシャルと呼ばれる旧型ミシンで裾をチェーンステッチで仕上げるのがお約束事。日本のヴィンテージ・レプリカ・ジーンズの製造システムは世界のファッション業界を驚かせたのである。

今やジャパンクォリティを代表するアイテムとなったジーンズ。そのロールアップした裾口には、誇らしげに赤耳と呼ばれるセルビッチが付いている。

しかしこのセルビッチが何のためにあるのか、議論の的になったことはない。シルエット的に考えると、むしろ無用の長物と思えるセルビッチについて考察することにしよう。