ロン・ハワード監督の『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK』、ドキュメンタリーだが今年のトップワンである!?

オトコ映画論 #32

映画作家としてのクリント・イーストウッド師とマーティン・スコセッシ師を尊敬している。だから毎年、クリント・イーストウッドまたはマーティン・スコセッシの監督作品をトップワンにするのだが、今年は超ド級の傑作ドキュメンタリー映画をトップワンにすると思う。

2016年のロン・ハワード監督の『ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK‐The Touring Years』(原題The Beatles:Eight Days a Week‐The Touring Years) は、1963年〜1966年の全世界ツアーを中心にザ・ビートルズの知られざる姿を描いたドキュメンタリー映画である。現在公開中(配給:KADOKAWA)なので、お近くのなるべくいいサウンドの映画館で観ることをオススメする。

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ポール・マッカートニー(1942‐)、ジョン・レノン(1940-1980)、ジョージ・ハリソン(1943-2001)、リンゴ・スター(1940-)のザ・ビートルズは、言わずと知れたビッグバンドだ。レノン=マッカートニーの楽曲はどれも名曲揃いで、何と「知らない曲が1曲もない」のだ。これはめちゃくちゃ楽しい。

実は中学・高校生のとき、ザ・ビートルズの曲で英語を憶えた。一生懸命に憶えたので、マーティン・スコセッシやリドリー・スコットなど、英語圏の映画作家はたいてい英語でインタビューするようにしている。

観客たちの熱狂を観ているだけで飽きないのだ。1940年代フランク・シナトラ、1950年代エルヴィス・プレスリー、そして1960年代ザ・ビートルズは熱狂的ファンを生んだ。はたしていまの音楽ファンで、声援を送り続けるだけで次々に失神するなんてあるだろうか?

シナトラのファンは、追っかけ女学生が白い靴下を履いていたことから「ボビーソクサー」と呼ばれ、ザ・ビートルズのファンは「ビートルマニア」と呼ばれた。ビートルマニアの熱狂ぶりはすごくて、キャーキャーという嬌声がうるさくて、コンサート自体が中止になったこともある。

映画では、ウーピー・ゴールドバーグ(1955-)が母親にサプライズでニューヨークのシェイスタジアムのコンサートに連れていってもらったことを証言し、またシガニー・ウィーヴァー(1949-)はその観客席に姿を見つけることができる。