『ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン』が継続してきた海外シェフとのコラボの目的は?

レストラン熱中派 #25

この2年間、定期的に『ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン』に通った。理由はここのシェフ、ルカ・ファンティンが企画した、海外のシェフたちとのコラボレーションを取材するため。

ルカ(以下、ファーストネームで呼ばせて頂きます)がこのイベントを企画したのは、日本にモダンイタリアンへの理解を広めたいから。流行の料理で驚かせたいとか、高級レストランとしての見栄をはりたいとか、そんな小さい話ではない。

彼は日本に来て、日本で料理人として経験を積もうとブルガリのシェフという素晴らしい仕事に就いた。ところが、ディナーに手打ちパスタのラビオリを出そうものなら「イタリアンなのに、スパゲッティが出ないの?」「イタリア料理なのにどうしてフランス料理みたいなの?」とゲストから注文を受ける。

「日本人はトラットリアやピツェリアの料理がイタリア料理だと思い込んでいる。リストランテのコンテンポラリー・イタリアンというジャンルがあることをもっと知ってほしい」。そんな思いから、1年目(2015年)はルカと親交の深い著名なイタリア現代料理のシェフたち7名、2年目(2016年)は世界で活躍するシェフ4名を日本に招いたのだ。

7人のイタリア人シェフの顔ぶれは実に個性的だったが、共通した印象は、とんでもなく奇抜な料理はなかったこと。どの皿もコンセプトがはっきりし、表現もエレガント。つまり家庭料理(ここでは日常の料理の意味)ではなく、吟味された素材を使い、凝った器に美しく盛られたレストランの料理というレベルが保たれていた。