六本木に出現したバーニーズとユナイテッドアローズ、新たなショッピングエリアの見所を探る

モード逍遥 #15

2016年9月16日にバーニーズ・ニューヨークが、そして翌週の22日にはユナイテッドアローズが、それぞれ六本木に大型店舗をオープンした。

バーニーズは、東京ミッドタウンや国立新美術館のある六本木7丁目の独立店舗。いっぽうユナイテッドアローズは、森美術館や映画館などのある六本木ヒルズ内ウエストウォークの店舗を大胆にリニューアル。これによって六本木の商圏はリッツ・カールトンのある7丁目とグランド・ハイアットを擁する6丁目で、さらに明確に分かれた気がする。

はたしてヒルズ族やインバウンドの観光客、そしてセンスが高いと言われる港区の富裕層は、どちらの商圏がお好みなのだろう。経済に強い方ならこうした分析に時間を費やすだろうが、筆者の興味はもっと単純。

それは、ふたつの新店舗がどのような売り場空間で、わくわくドキドキさせてくれるものを販売しているか、という一般の服好きの消費者と同じ視点だ。

バーニーズ・ニューヨーク六本木店の店舗空間には、ある意味裏切られた。筆者は銀座店のようなネオクラシックな空間を想像していたのである。しかしニューヨークのバーニーズが今年の2月に、1号店のあった元の場所(チェルシー地区)に旗艦店を作った。それとほぼ同じ内装を六本木店にもさっそく取り入れたのだという。

フロア全面に敷かれた白い大理石は米国バーモントの採掘場まで出向いて柄を統一し、4隻の船で運んだという贅沢なもの。中央に据えられた大型の階段は、ニューヨークの旗艦店の美しい螺旋階段と同じくらい存在感がある。さらにその真上には、重さ数10トンはあるかと思われる透明のケースに入れられた松が、あたかも『天空の城ラピュタ』のように空中に漂っていてスリリングだ。