南魚沼で新米をほおばる、日本人に生まれてよかった!? 『里山十帖』の至福

宿泊者の欲望 #35

東京から上越新幹線でわずか1時間余り。お喋りに夢中になっていると降り損ねてしまうほど近い場所に、『里山十帖』への起点駅、新幹線「越後湯沢駅」がある。宿へはこの駅からタクシーで20分ほどだ。

駅前の商店街や大型のスキーリゾートホテルを見ながら、日本一、否、世界一の美味しい米所“魚沼産コシヒカリ”の産地へ向かう。水田の景色にホッとするのは日本人のDNAなのかも知れない。9月中旬、そろそろ早い新米が出始める時期である。

2014年5月創業の『里山十帖』は、里の田んぼ風景の中を走り、やがて山に入り、少し登った中腹に森に隠れるように建っている。客室は12室、施設内には大沢山温泉の引かれた「湯処天の川」がある。露天風呂からは、伝説の残る日本百名山の巻機山とその連山を遠望できる、まさに静かなる絶景だ。

露天風呂:里山十帖の温泉「湯処天の川」の露天風呂。秋晴れの景色は秋色一色に。
里山十帖の温泉「湯処天の川」の露天風呂。秋晴れの景色は秋色一色に。

「里山十帖」は、創業26周年を迎える雑誌『自遊人』の編集長・発行人である岩佐十良氏(株式会社自遊人、クリエイティブ・ディレクター)が造り、宿の現代表でもある。

コンセプトを明解に掲げ、環境先進国で学んだ知識を、メイン棟となる築150年の古民家再生に採り入れ、築23年の宿泊棟をリノベーションして始められた。とりわけ都会人のゲストが多いのは、ライフスタイルにこだわり、感度の高い人々の理想とする田舎暮らしがここにあるからだろう。

ロビーとロフトのラウンジ:古民家らしい高天井の空間はレセプションと2階ロフトのラウンジ。
古民家らしい高天井の空間はレセプションと2階ロフトのラウンジ。