カルティエ銀座の改装オープンで、銀座3丁目交差点はやはり現代のサン・ジミニャーノである!?

砂漠のような東京でも…
週刊ファッション日記 #27

事件やブームの名付け親というのは光栄なものだが、残念ながら筆者に関しては、子どもの名前以外、思い当たらないのだが、あえてひとつだけ挙げてみる。

それは、銀座の中心が4丁目交差点(中央通りと晴海通りの交差点)から3丁目交差点(中央通りとマロニエ通り)に移り、その3丁目交差点に4つのラグジュアリー・ブランド(「シャネル」「ルイ・ヴィトン」「カルティエ」「ブルガリ」)がタワービルを建てた2007年ごろを評して、これは現代の「サン・ジミニャーノ現象」であると書いたことだ。

これはなかなか良い喩えだったなと思う。が、いまだに誰も引用してくれないのは困ったものである。サン・ジミニャーノはフィレンツェ郊外の小さな街で、今もなお中世に建てられた14の塔が残っている「塔の街」として有名だ。世界文化遺産にもなっている。10世紀から12世紀に貴族や富豪がその権勢を示すべく競って高い塔を建て、盛時には72の塔が建ったという。

前述の4大ブランドによるタワービルは2007年にブルガリ・タワーが完成したのが最後だ。翌年2008年9月15日には例のリーマン・ショックがあって、ある意味ラグジュアリー・ブランドが1990年あたりから続けた20年近い成長神話に終止符を打ったのであった。

なぜ、終止符を打ったかと言えば、2008年あるいは2007年の年商がピークで、その後今日に至るまでそのピークを更新しているブランドが、「エルメス」「セリーヌ」などほんのわずかだったからである。

「だったからである」と過去形にしたのは、ここ2年ばかりの急激なインバウンド消費の盛り上がりで時計、宝飾とレザー&ファッションの一部では2007年、2008年にマークした最高年商をオーバーするブランドが出始めたからである。

しかし、中国の海外からの持ち込み品にかける関税率が今年4月1日から大幅にアップし、中国富裕層による爆買いインバウンド消費も急激に萎みつつあるのが現状だ。以前通りのインバウンド消費をあてこんだのかどうかはわからないが、ラグジュアリー・ブランドの新店オープン、リニューアルが最近結構あった。