『ハドソン川の奇跡』は、クリント・イーストウッド監督最大のヒット作になる!?

オトコ映画論 #30

クリント・イーストウッド監督、チェスリー・“サリー”・サレンバーガー&ジェフリー・ザスロー原作、トッド・コマーニキ脚本の新作『ハドソン川の奇跡』(原題Sully、日本では9月24日全国ロードショー)が、オープニング3日間で全米興収3,350万ドルを記録して、好調なランディングを決めた。

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何と言っても、オープニング3日間に、15年目を迎えた9月11日が含まれていたのが大きい。あの忌まわしい同時多発テロと、2009年1月15日にUSエアウェイズ(2015年にアメリカン航空に経営統合して消滅)1549便を襲った生還劇「ハドソン川の奇跡」では、救助に回ったニューヨークの名もない警察官や消防士のひとりひとりがヒーローである点がまったく同じだからだ。

そして公開10日間で7,054万ドルを記録。これは、トム・ハンクスが実話の船のキャプテンを演じた、ポール・グリーングラス監督の『キャプテン・フィリップス』(2013)の公開10日間5,244万ドルを凌ぐ。

クリント・イーストウッドの長い監督キャリア史上、最大のヒットとなった前作『アメリカン・スナイパー』で全米興収3億5,000万ドル、オープニング3日間はわずか63万ドルだったから(2014年12月25日限定公開で、2015年1月15日全米拡大公開だった)、本作はイーストウッド作品の中で最短の上映時間96分と『アメリカン・スナイパー』よりも38分も短いので、より数多く回せることから、イーストウッド監督作品で最大のヒット作となるのは約束されたも同然なのだ。

全米の批評もおおむね好評で、Rotten Tomatoesスコア82、Metacriticスコア76、IMDb8.0/10である。僕自身、クリント・イーストウッドとマーティン・スコセッシの監督作品を研究してきたから断じて言える。これはものすごい傑作である。