カルダン、レノマ、そしてチルブリー。本物のコンケーブ・ショルダーは機能性も抜群だった

なかでも1966年通巻5号『カルダンの服専科』と1967年通巻10号『サンジェルマン専科』は、その後の筆者の人生を決めたほど深い影響を与えてくれた。というのも、遊びながら海外へ行けて大好きなファッションの仕事ができる編集者って面白そう、と真剣に考えたからである。

当時の筆者の夢は、式場壮吉さんのようなレーサーか、デラパンの編集者になってカルダンの服を買いまくることだったのである。

『サンジェルマン専科』には、ジャングル・ジャップで大ブレイクする直前の高田賢三さんが『パリのイエイエ 高田賢三君のサンジェルマン・ルック』という記事で、モノクロ6ページに渡って紹介されている。

後の世界のケンゾーは、ブリルの店で購入したカルダンスーツ、レノマのハリスツイード製スーツ、ブルーサージの6個ボタン・ダブルブレストブレザー、チルブリーの茶色のUチップシューズなどを披露して、圧倒的にスタイリッシュだった。

サンジェルマン通りのイエイエ族の制服とまで形容されたダブル胸のブレザーは、おそらくレノマ製で、生地とカッテイングが優れているため、品の良いコンケーブ・ショルダーが後ろ姿にはっきり出ている。