食事会は、もてなされる側にも配慮が必要なのです!?

心のふきだし #31

前職の広告会社は営業職、ということもあり食事はこちらが招待することが多かった。それでもたまに、取引先やメディアの方に誘っていただいて、ご馳走になる機会もあった。もてなされる側が、うっかり気を抜いてしまいがちなのが、「値段」についての配慮だ。

以前、取引先の担当者と打ち合わせの帰り「ごはんを食べて帰りましょう」ということになった。こちらは私と20代のアシスタントの女性、先方は担当者の女性との3人の食事だった。

「お店をどこにしましょう」と聞くと取引先の担当者が「私が知っているお店があるから」と近くにある洋食のお店に案内された。店に入ると、担当者から「何にする? 何でも好きなものをオーダーしてね」と言われた。その様子からご馳走してくださる雰囲気が伝わってきた。

みんなでメニューを見ながら、アラカルトで何品かオーダーを済ませた。次々と料理がどんどん運ばれてきた。しばらくして、「もう1品くらいお願いしましょうよ」ということにとなり、改めてメニューをみた。

担当者が、私のアシスタントに「何が食べたい?」と聞いたところ、アシスタントの彼女が「う〜んと、私、このビーフシチューがいいです」と一言。

一瞬の沈黙。何故なら、どのメニューも1,000〜1,500円だったのに、ビーフシチューだけ5,000円くらいするのだ。

「ぎくり」としたけれど、「止めなさいよ」とも言えず「向こうのご馳走とは決まっていないし、こちらでご馳走すればいいのだわ」と思い直し「そうね、美味しそうね」とオーダーした。

結局「どうしても払わせて!」とその担当者に支払っていただいて、なんとなく罰の悪い気分になった。アシスタントを教育するときに「取引先からご馳走になるときは、値段を見て高いものは選ばないように」とはわざわざ言わないものだ。何も気付いていない彼女には、そのあと何も言えなかった。

値段を気にしないという行為が、相手に対する配慮に欠け、結果的に感謝の気持ちを表せないことになってしまう。