119組のアーティストが文字通り世界中から参加した『あいちトリエンナーレ2016』は、創造する人間の旅である

アートうたかたの記 #7

ジェリー・グレッツインガー《Jerry’s map》 2016
photo:菊山 義浩

8月11日に開幕した、第3回を迎える『あいちトリエンナーレ2016』。

初回から、美術、映像、音楽、パフォーミングアーツ、オペラといった「現代芸術の幅広い領域を複合的に見せる芸術祭」というコンセプトを打ち出してきた。

今年も、芸術監督である港千尋(写真家・著述家)のもと、テーマ「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」を掲げるだけに、文字どおり、彩り豊かな虹色の旅路を味わうことができる。

大巻伸嗣《Echoes Infinity – 永遠と一瞬》2016
白いフェルト地の床に日本画の顔料で花や鳥の文様を施した広大な空間。人々が回遊するにつれ、さまざまな色が混じり合い、やがてカオスとなる。 
photo: 怡土鉄夫

事前の広報活動は苦労しただろうと思う。

国際芸術祭といえば、目玉として誰でも知ってる有名アーティストを1人や2人招聘するものだが、今回、一般のアートファンが名前を聞いたことのあるような作家はぜんぜんいない。(しいて挙げれば、勅使川原三郎とフィリップ・ドゥフクレくらいか?)

日本で初紹介される作家も多く、いったいどこで見つけてきたの的なラインナップに驚かされた。

まさにいま注目の「多様性」への挑戦だが、正直、広報資料を見てもなかなか全体像がつかめなかった。

おまけに馴染みの薄い作家名が多くてめまいがする。

ヴァルサン・クールマ・コッレリ、グリナラ・カスマリエワ&ムラトベック・ジュマリエフ、リビジウンガ・カルドーゾ、イグナス・クルングレヴィチュス……アクセントはどこ?というワールド感だ。