南アフリカの注目株、クリス・マリヌーのスワートランドワインの実力!?

ワイン縦横無尽 #21

地球の裏側でオリンピックが行われていた頃、これまた地球の裏側、南アフリカから生産者が来日した。2007年から妻のアンドレアとともに南アの注目産地、スワートランドワインを造るクリス・マリヌーだ。

南アは今、ワイン専門家の間で最もホットな産地のひとつ。94年にアパルトヘイト(人種隔離政策)が撤廃され、国際社会による経済制裁が解かれると、海外市場にワインを輸出する道が大きく開けた。それまでブドウ栽培やワイン醸造を支配していた協働組合の組織力が低下し、代わって個人の醸造家が台頭。新たなワイナリーが瞬く間に誕生し、今も増え続けている。

もっとも、クリスに言わせると、95年から2005年までの10年間は、フランスやカリフォルニアなど、海外の銘醸ワインを模倣したタイプが多かった。「南アならではのスタイルをいかにして表現するか」それがクリスをはじめとした新世代の造り手に共通するポリシーだという。

彼らのワイナリーが本拠を置くスワートランドは、ホットな南アで今最も注目を浴びる産地。クリスとアンドレアが来るまで6つしかなかったワイナリーの数は今や30以上にもおよぶ。スワートランドのブドウは集中力があり、リッチだが、同時にフレッシュネスを兼ね備える。以前、クリスとアンドレアがそれぞれ別のワイナリーで働いていた時にさまざまな産地のブドウを扱い、スワートランドのブドウこそ自分たちが求めるスタイルのワインを実現できるとお互い確信。この地にワイナリーを設立する決心を固めたという。

ふたりが求めるスタイルは、樹齢35~65年のブドウを使い、決してオーバーパワーではなく、フレッシュ感を伴う味わい。赤がシラー、白がシュナン・ブランを主体とした南アらしいブレンド、もしくは単一品種から造られたもの。エントリーレベルの「Kloof Street(クルーフ・ストリート)」とその上の「Mullineux(マリヌー)」、ふたつのレンジがある。