食人鬼あのハンニバル博士は、グレン・グールドの『ゴルトベルク変奏曲』がお好き!?

オトコ映画論 #25

映画史上5本の指に入るヴィランである超優秀な精神医学者にして精神病者であり、食人鬼でもあるハンニバル・レクター博士はすごく音楽を熱愛している。

羊たちの沈黙 ブルーレイ発売中
 ¥1,905+税 20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
(C)2014 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. Distributed by Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.

1990年のジョナサン・デミ監督作品『羊たちの沈黙』(原題Silence of the Lambs) で、ボルチモア州立病院の最厳戒棟の囚人だったときは、娘を誘拐された上院議員に情報を提供する見返りに、カナダのピアニスト、グレン・グールド(1932-1982)が弾くヨハン・セバスチャン・バッハ『ゴルトベルク変奏曲BWV988』を差し入れしてほしいと頼むぐらいだ。といってもCDではなくカセットテープというのが時代を感じさせる。

それは彼ひとりだけのための牢だったが、カセットテープによる『ゴルトベルク変奏曲』を聴きながらの、わずか3センチほどの針金状の物を隠し持っての、ここからの凄惨な脱出方法は優雅にして華麗。ヴィランとしてのハンニバル・レクター博士のほぼ初行動と言ってよかった。