クルーズ船飛鳥Ⅱでの楽しみ、有名シェフの特別ディナーとは?

レストラン熱中派 #21

ここ3年ほど、クルーズ船『飛鳥Ⅱ』での食のイベントに関わっている。日本もようやく「クルーズの時代」が来たと言われ、旅番組でも豪華客船がよく紹介される。日本の大型クルーズ船は現在3隻、その中で『飛鳥Ⅱ』は乗客872名、乗務員470名と最も大きく、また設備の豪華さでも定評ある。

優雅な姿の「飛鳥Ⅱ」。横浜や神戸からスタートするクルーズが多いが、途中の寄港地から参加するコースもある。

海の上を12階建ての巨大なホテルがそのまま移動しているような迫力。その優雅な姿を一目見たら「いちどは乗りたい」とだれもが思うのもよくわかる。

船旅のメリットはゆったりとくつろぎながらも、寄港先で観光を楽しめること。移動の度に荷物をまとめるわずらわしさがない。また日本の船は和食をきちんと用意しているところが、日本人にはやはりありがたい。

私が初めて船にのったのは20年ほど前。家族でプライベートに利用したが、その時ははっきり言って食事は残念な記憶が残っている。ところが今は和食も洋食も飛躍的にレベルアップしている。仕事で関わることになり、厨房を見て、料理スタッフの話を聞いてその理由がよくわかった。

洋と和、それぞれに副料理長と料理長がいて、両部門をまとめる総料理長がいる。ホテルと似ているが、大きな違いは勤務体系。4カ月乗船して2カ月休暇という超メリハリの効いた職場。料理長ともなれば、休暇中にも次の乗船のために800人分の朝昼晩、長いクルーズなら1カ月以上のメニューを考え、使用する素材と分量を決めなければならない。

船の下層部分は巨大な保冷庫になっているので、食材をフレッシュか冷凍で仕入れるかも考慮する。なんとも気の遠くなる作業だ。朝食はメインダイニングの和定食、11階でバイキング、昼も同じパターン。夜はコース料理はメインダイニングのみ、17時30分と19時45分の2回に分けて提供される。