ギョウザ靴というよりはラビオリ!? 夏のローファーはモカシンに限る

ボナフェといえばテストーニから独立した名職人。事務所の奥から出てきた靴は、ペッカリーのビットモカシンで、思わずヨダレが出るほど見事な出来。アッパーに現れたわずかなギャザーもじつに優美で、靴流通センターなどに置かれているギョウザ靴とは似て否なるものであることを確信した。

「この製法は、中底やライニングを付けなくて済むため履き心地が軽やかでとても良いものなんです」と、坪内さん。

しかし今、都心の主要な靴売り場は、どこも申し合わせたように重厚なグッドイヤーウエルテッドの靴ばかり。本格モカシン製法の靴は良いものだから、流行にかかわりなく在庫しておこう、などと考える気の利いた店長はまだまだ少ないようだ。

「日本には優秀な若手の靴職人が登場していますが、重厚な靴ばかりで、軽やかな靴を得意とする人が育っていない。昔は関信義さんのように両方できる人がいたんですがね」と、坪内さんも残念がっていた。

ギョウザ靴改めラビオリ・モカシン、復活を期待したいものである。