登山家ならずとも憧れるマッターホルン山麓の「ホテル・モンテ・ローザ」

宿泊者の欲望 #27

スイスの山岳地帯のなかでも、登山家を始め観光客に最も人気の高い村のひとつ、ツェルマット。この村からは場所を選べば名峰マッターホルン(4,478m)が望める。村の標高1,620m、古くから環境保全を訴え、ガソリン車は商用車以外はNG、ホテルの送迎でさえ電気自動車や馬車を走行させている。

観光の村だけに、メインストリートにはホテル、土産物屋、カフェ、レストラン、バー、そしてスポーツ用品店などがぎっしりと軒を並べ、通年観光客で賑わう絵本から抜け出たような村だ。

数え切れないホテルが集中する村の中で、最も歴史あるホテルとして物語を秘め、高い人気を誇るのが『ホテル・モンテ・ローザ』だ。

ホテル・モンテ・ローザの夜景/ホテル・モンテ・ローザの前景。小さなテラスにはカフェバー、中央がエントランス。
Photo:Hotel Monte Rosa

登山家御用達ホテルとして1853年にザイラー家によって始まり、英国人の名登山家エドワード・ウィンパーが、マッターホルンに初登頂する際にも宿泊していたことで知られている。ホテル前にはウィンパーの記念碑が建ち、今なお、登山家を含め歴史を愛しむ観光客が利用している。

全41室、すべての設えが違い、それぞれに歴史あるホテルの重厚感や高級感が感じられ、木造のシャレー風な山岳リゾートの趣も残している。山岳地では、殆どのホテルがハーフボード(朝夕食付き)で泊まるのが一般的だが、ここでも同様なシステムをとっている。