名作!’68メキシコ五輪エンブレムを作ったランス・ワイマンのデザイン哲学

THE NEW YORKERS #5:Lance Wyman

1968年、中南米で初めて開催されたメキシコ五輪のエンブレム。サイケデリックな68の文字は五輪ロゴの傑作として今もなお、世界中の人々の記憶に刻まれている。デザインはニューヨーク在住のアメリカ人デザイナー、ランス・ワイマンによることは、もしかしたらあまり知られていないかもしれない。

当時ワイマンは29歳。ジョージネルソン事務所に勤務していたものの、無名なグラフィックデザイナーだった。コンペは一般にも門戸が開かれており、エントリーが叶った彼は1966年、デザインの準備のために生まれて初めてメキシコの地を踏んだ。

その2ヶ月前に結婚したばかりの妻を伴ったハネムーンのような旅でもあったが「片道切符しか買う余裕がなくて、なにがなんでも成功させるしかなかった」と当時を振り返る。

マヤやアステカ文明などメキシコ古来のグラフィカルなモチーフと、渡航直前にMoMAで観たオプアートの展覧会がインスピレーションになり、かの有名な“MEXICO 68”のデザインが完成したのはデッドラインの直前だったという。