クロノグラフの名手『ブライトリング』の軽くて屈強な新素材

なにしろ機械式狂いなもので #19

機械式時計のメカニズムは数多いが、そのほとんどは、“今”の時をより正確に示せるよう、工夫・改良が成されてきた。数少ない例外の一つが、クロノグラフだ。

任意にスタート・ストップ・リセットができる秒針を備え、過ぎ去った時の長さを計る機構。これを得意とする時計ブランドは、第15回で取り上げたタグ・ホイヤーや、第17回に登場したゼニスなどいくつも存在する。

《ブライトリング》もまた、1884年の創業時からクロノグラフの名手として知られてきた。この機構の進化にも貢献し、例えばリューズから独立したプッシュボタンで操作する腕時計クロノグラフのスタンダードなスタイルは、ブライトリングによる発明である。

まず1915年にクロノグラフのスタート・ストップ・リセットを押す度に順に繰り返す専用のプッシュボタンを腕時計で考案。さらに1934年には、リセット専用の第2のプッシュボタンを発明し、クロノグラフ操作性を飛躍的に高めたのだ。これは、飛行機を操縦するパイロットにとって、より使いやすくするための工夫であった。当時も今もクロノグラフは、パイロットにとって欠かせぬ装備品の一つ。懐中時計の時代からブライトリングは、クロノグラフや、さらにはコクピット計器の製造を通じ航空産業と深く関わってきた。