名機“ヴィーナス88”を蘇らせたイタリア・ロックマン社の「モンテクリスト」

なにしろ機械式狂いなもので #18

それでも地球は回っている──地動説を説いたガリレオ・ガリレイは、機械式時計にとって重要な発見もしている。「振り子の等時性」である。重りを吊るしたひもの長さが同じであれば、振り幅に関係なく往復する時間は同じという発見は、1583年、当時イタリア・ピサ大学の医学生だった19歳のガリレイが、大聖堂の天井から吊るされたランプが揺れる様子を見て気付いたとの逸話が残る。

この発見により、機械式時計は正確な時の刻みを得た。振り子のひもの長さを調整すれば、正しく時間がカウントできるからだ。振り子式の柱時計は、まさに振り子の等時性の利用そのもの。そして小さな腕時計のムーブメントも、振り子の等時性を応用している。

何度か述べたように、振り子代わりに時を刻むのは、テンプ。振り子で言うところの重りがテンプで、ひもがそれに備わる極細のヒゲゼンマイであり、このヒゲゼンマイの長さを変えることで、テンプの振動する速さ、すなわち精度を調整することができる。

時計の歴史を語る上で欠かせない大発見をもたらした地イタリアで現在、唯一腕時計のムーブメント製造を行っているのが、《ロックマン》である。