森万里子のリオ五輪プロジェクトが間もなく公開。制作のコアにあるものとは?

THE NEW YORKERS #4: Mariko Mori

ミッドタウンの高層ビル群にあるスタジオは、あたりの雑踏とは対照的に白一色で統一されている。「白はもっとも光に近い色だと思うんです。すごくまぶしいと光は真っ白にみえるでしょう?」と、自らも白を身にまとった森万里子は説明する。

90年代から欧米の主要美術館やギャラリーで作品を発表し続けている日本を代表するアーティスト。2010年には非営利のアート財団「FAOU」を設立した。この名前の由来は“産む力”だという。

「力=エネルギーというのは光みたいなものだと考えます。何かをクリエイティブに産みだすというのは人間に与えられた素晴らしい能力だと思う」。

FAOUは 地球上の6大陸にそれぞれ自然と人間の融和をコンセプトとするサイトスペシフィックなパブリックアートを恒久設置することを推進している。第一弾は2011年、沖縄の宮古島に設置された「Sun Pillar (サン・ピラー)」。そして、この8月3日にはブラジルのリオ・デ・ジャネイロで「Ring : One with Nature(リング・自然とひとつに)」が公開される。

これはリオ五輪の公式プログラムに認定され、リオ郊外の州立公園内にあるVéu da Noiva Muriqui(花嫁のベール)とよばれる58mの滝の上に設置されることになった。

「ブラジルの人々はとても自然を愛しているからこそ、プロジェクトもポジティブに受け止めていただきました。ただ、直前まで設置場所を何度も変更せざるを得ないなど思いがけないことが次々に起こり、自分自身のヴィジョンの根っこがどれだけ深いのか、を試されるような日々でもありました」。