トンネルを抜けてもまだ着かない!? 信楽の桃源郷を訪ねに~MIHO MUSEUM&葵 HOTEL KYOTO Vol.1

ロケーションのユニークさでは日本屈指とも言える滋賀県信楽のMIHO MUSEUM。信楽の穏やかな山並みに埋め込まれ、周囲は深い森林に囲まれている。その建築を手がけたのはあのI.M.ペイだ。

ペイが初めてこの土地を下見した時、東晋の詩人・陶淵明の「桃花源記」が閃き、それに沿って施設そのものはもちろん、そこにたどり着くまでのアプローチまでも含めたグランドデザインが考えられたという。

まず、ここにたどり着くには自家用車もしくは路線バスを利用することになる。そこで降り立つとレセプション棟があり、チケットはここで購入する。が、美術館自体はそこからさらに離れたところにあり、さらに10分弱ほど歩かなければならない。

枝垂れ桜のプロムナード
枝垂れ桜のプロムナード

これこそがペイが桃源郷に見立てて考案したものであり、漢詩にある桃の林に代わって桜並木を、洞窟に見立ててトンネルを設え、吊り橋を渡って桃源郷(美術館)に至るという構成になっているのだ。そのドラマティックな道程を歩くのもこの美術館の醍醐味のひとつ。

トンネルから望む美術館棟
トンネルから望む美術館棟

そうしてたどり着いた美術館は、三角形を多用したグラフィカルなデザインが施されて、ルーブル美術館のピラミッドを手がけたペイらしさが見て取れる。