ジュエラーでありながら本気のウォッチメーカー!? ブルガリの自信作「オクト」

ヌーシャテルの本部を拠点とし、ル・サンティエに自社製ムーブメントの組み立てと複雑機構の製作を担う工房を置き、ラ・ショー・ド・フォンにはダイヤルの工房を、そしてセーニュレジェにケースとブレスレットの製造部門を持つ現在のブルガリは、元来イタリアのジュエラーでありながら、スイスでも屈指の生産能力を誇るウォッチメーカーでもある。スイスでも例外的存在だと前述した、これがゆえんだ。

イタリアの優れたデザインと、スイス伝統の時計製作技術とが融合したブルガリのウォッチ・コレクションは、個性豊かでまた上質でもある。それを象徴するのが、2012年に発表された『オクト』だ。

八角形の得意なプロポーションのケースは、3工程に渡る精密な切削加工によって、110面ものファセットカットが施され、かつてない豊かな表情が与えられている。さらに面によってサテンとポリッシュ、2つの異なる仕上げを使い分けることで、見る角度によってニュアンスまでも変えた。

左:オクト ウルトラネロ/漆黒のケースは全体をサテンで仕上げ、ファセットカットしたエッジをポリッシュ仕上げすることで、複雑な110面体構造を際立たせた。自社製ムーブメントCal.ソロテンポ搭載。
右:6.85mmの超薄型ケースも110面体構造。サテン×ポリッシュの仕上げの組み合わせも同じだ。ケース左サイドにミニッツリピーターを作動させるプシュボタンを備える。右下が、搭載するムーブメントCal.フィニッシ モミニッツリピーター。外周に2本ゴング、上側にそれらを打ち分ける2つのハンマーが見える。

左の『オクト ウルトラネロ』は、これら“オクト”の美を特徴付ける複雑なフォルムそのままに、DLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)でブラックに仕立て直した新作である。硬質な黒い皮膜をまとっても、その下にある繊細なサテンとポリッシュの仕上げは変わらぬ美しさを放っている。針とインデックス、そしてリューズにはピンクゴールドを用いて、荘厳な印象はさらに高まった。

さらにブルガリは今年、複雑機構で技術力の高さを見せつけた。それが右のモデル『オクト フィニッシモ ミニッツリピーター』だ。一見すると、ダイヤルこそシンプルだが、コラムの#3で解説した、現在時刻を美しいゴングの音色で知らせるくれるミニッツリピーター搭載モデル。しかもその複雑なメカニズムをわずか3.12ミリ厚のムーブメントに仕立ててみせ、6.85ミリ厚の薄型ケースに納めている。これらは共に同機構における世界最薄である。

ミニッツリピーターは、数ある時計の機構の中でも、特に複雑なメカニズムであり、それをここまで薄く出来るのは、極めて異例だ。さらにケースも超薄型であっても、110面体の複雑なフォルムを堅持する。その素材は、軽量で音響効果に優れたチタン製。

ダイヤルも同素材で、インデックスやスモールセコンドの周囲をオープンワークすることで、音響効果をさらに高め、薄くても豊かな音量を確保している。ムーブメントのみならず、ケースやダイヤルまでトータルにミニッツリピーターの機能を高めることができるのは、すべてが自社製だから。

ウォッチメーカー《ブルガリ》の高い内製率が、機械式時計の魅力をさらに高める。

 

■商品情報:

オクト ウルトラネロ/自動巻き。ステンレススティールケース。径41mm。81万円。

オクト フィニッシモ ミニッツリピーター/限定50本。手巻き。チタンケース。径40mm。予価1,900万円。年内発売予定。

問い合わせ先:ブルガリ ジャパン TEL.03-6362-0100