美術館だけじゃない!商店街でもアート体験を。~十和田市現代美術館&十和田ホテル Vol.2

3、企画展に注目。その後は街中にもアートを探しに

現在開催中の大宮エリーの個展「シンシアリー・ユアーズ-親愛なるあなたの大宮エリーより」が実現したきっかけは児島さんが以前、代官山で開催されていた大宮さんの個展を観てからだという。

Photo by MASARU FURUYA
Photo by MASARU FURUYA

「とんでもない作家だと、やたらと作品が大きくてダイナミックだったり、対照的にドローイングの作品は繊細だったり、興味を持ったんですよね。大宮さんは文章の世界では知られているけれど、絵の世界はまだ足を踏み入れたばかり。そのプリミティブな感じが面白いと思って、ずっと気になっていたんです。ぜひあのパワフルな作品世界を展覧会にしたい、十和田のみなさんに観ていただきたいと提案し、実現することになりました。

会期中にライブペインティングも行います。大宮さんの絵が生まれる場をまさにライブで体験していただけます。

© Ellie Omiya
《希望の海》© Ellie Omiya

大宮さんは、商店街を巻き込んで行くというアイデアにもとても積極的で、“ならば商店街の人と飲みたい!”と、商店街の人たちも、大宮さんのパワーに巻き込まれるのを楽しんでくださっているようです。そんなふうに、アーティストとの出会いのきっかけをつくるのも“街のキュレーション”のひとつかもしれません。今後も、街の人たちと一緒に、街を活性化するような試みをしていきたいですね」(児島さん)

次の企画展は、ヨーガンレールの個展を予定。生前より親交の深かった館長の小池さんによる提案から実現する。こちらも楽しみな内容になりそうだ。

 

4、昭和の名建築ホテルに泊まる

ここまできたら、是非足を伸ばして欲しいのが十和田ホテルだ。日本初のオリンピックを目指して、国や県のプライドをかけて作られた建築は、現在は有形文化財に認定されている。

外壁には杉の半丸太が敷き詰められ、各客室はいずれも床の間、天井、格子戸などの意匠が全て異なるという、非常に手の込んだ作りとなっている。また、どの部屋からも十和田湖を眺めることができ、ヨーロッパのコテージのような佇まいでもある。

それもそのはずで、設計に携わった、日本大学工学部土木建築科教授の長倉健介は、このホテルを作るためにヨーロッパ視察に出かけたといい、その影響を多分に受けていると言われているのだ。

戦後、米軍に接収された後、1952年に秋田県が買い戻し、その後民営に。オリンピックは幻に終わったものの、1961年に開催された秋田国体では、昭和天皇、皇后両陛下が宿泊され、他にも、皇族方をはじめ、吉田茂やライシャワー元駐日大使など多くの要人が滞在していった。

建築後70年以上経ったものの、樹齢の長い杉材を私用しているため頑強なつくりはそのままに、年月を重ねた木材がもつ独特の風合いを放ち、当時の建築の確かさと材質の良さを物語っている。数年前、老朽化対策のためのリノベーションも施し、歴史ある佇まいはそのまま、現代的な利便性を伴った施設となって生まれ変わった。

建築好きならずとも、その歴史を体感しに訪ねてみたい宿である。

 

十和田市現代美術館

青森県十和田市西二番町10-9
Tel:0176-20-1127
開館9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館:月曜日(月曜日が祝日の場合は、その翌日)、年末年始
詳しい休館日は
http://towadaartcenter.com/web/schedule.html
http://towadaartcenter.com

 

十和田ホテル

秋田県鹿角郡小坂町十和田湖西湖畔
Tel:0176-75-1122
http://towada-hotel.com/