「馬と暮らす」から!?と北海道へ引っ越す、あの『ル・ゴロワ』を味わう最後のチャンス

レストラン熱中派 #16

またひとつ、愛すべきレストランが東京から消える。神宮前に97年にオープン、2006年から現在の外苑前に移転し、常に根強い人気を博してきたフレンチ「ル・ゴロワ」がついに北海道へ引っ越ししてしまう。

外苑西通りに面した建築会館の2F。話題になった国立競技場のすぐ近く。入り口にはハーブやかわいらしい木工の馬が置かれるなど、俗世間の騒動とは無縁。

「ル・ゴロワ」といえば、北海道の素材を使った大塚健一シェフの料理と、マダム敬子さんの魅力的な笑顔のもてなしが常連客を引き付けてやまなかった。

やっぱりマダムの笑顔があっての「ル・ゴロワ」

当たり前のことに心をこめて淡々とお店を続けてきた二人が、新しい場所でどんなサプライズを起こすのか、改めて期待したい。ファンとしてはちょっと寂しいけれど……。

最後の営業日には、今までこの店を応援してきたお客が招待された。集まった顔ぶれを具体的に紹介できないのが残念だが、あらゆるジャンルで活躍する個性的な方が多く、誰もが大塚夫妻を家族のように心配している。

店の奥にある半個室。にぎやかな落書き有名人たちが書き記していったもの。思わぬ人を発見したりするが、マダムはテレビを見ないので有名人と言われても、よく理解できていないそう。

それで思い出したのが、3年前に亡くなられた三國連太郎氏だ。2010年に大塚シェフが農林水産省表彰制度「料理マスターズ」を受賞した時、三國氏は闘病中で、外出を控えている状況にも関わらず、たっての希望で表彰式に出席し、大塚夫妻と記念写真にも収まったのだ。