美術館もホテルも、長崎は今日も隈研吾!?

フランク・O・ゲーリーによるビルバオのグッゲンハイム美術館をきっかけに、著名建築家を美術館の建築に起用することが一般的になって久しい。アートと建築という組み合わせは、人が旅するきっかけにはふさわしいもののようだ。

日本国内にも、著名建築家が手がけた美術館は数多い。そのなかで今回紹介するのは、長崎県美術館だ。2005年に開館したこの美術館は、隈研吾によるもの。また、市内には同じく隈建築のホテル、ガーデンテラス長崎ホテル&リゾートもあるので、同一の建築家が手がけた作品を同時に味わう旅ができるというわけだ。

隈研吾ファンのみならず、少しでも建築に興味がある人ならば、美術館とホテルいずれも同じ建築家が手がけた作品を体験するというのは、なかなか興味深いものではないだろうか。見所の多い長崎市内だが、そのルートにぜひとも加えたい2か所である。

長崎県美術館は出島の先、「長崎水辺の森公園」に隣接するように位置している。まず目を引くのが、敷地内の中央を流れる運河だ。美術館はそれを挟むように建った2つの棟で構成されていて、運河をまたぐようにつくられたブリッジがつなぐ。

ひとつは市民にも解放されたギャラリー棟、もうひとつは展示室など一般的な美術館の機能をもつ美術館棟と呼ばれ、ふたつの建物が役割を分担していることで生まれる人の動きや、回遊性が魅力のひとつとなっている。

外観は、隈建築らしい、縦の線が強調されたルーバーで、印象的ながらも軽やかで周囲の環境にうまく溶け込んでいる。このルーバーは一見、木製のようだが、花崗岩でつくられたもので、天然石独特の美しい風合いも見所のひとつだ。

「展示空間は運河にむけて開かれ、水と運河、自然とアートをひとつに融合しようと考えた」(隈研吾建築都市設計事務所HPより)という言葉通り、建築として際立つのではなく、美術館とその周辺の自然や地形の面白みを最大限に引き出そうと計算された建物であることがわかる。