歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』間奏曲が流れる「レイジング・ブル」のオープニング

オトコ映画論 #15

マーティン・スコセッシ監督の1980年の作品『レイジング・ブル』(原題 Raging Bull)は、ボクシング好きにはたまらないタイトルシークエンスから始まる。試合前のプロボクサー、ジェイク・ラモッタがシャドーボクシングなんかをしたりする。

レイジング・ブル ブルーレイ発売中 ¥1,905+税 20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント (C)2014 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. Distributed by Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.
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(C)2014 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. Distributed by Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.

このオープニングシークエンスで流れるのが、ピエトロ・マスカーニ作曲の「歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』より間奏曲」である。

 

この場面で、ご両親がシチリア島出身のイタリア系アメリカ人、スコセッシ監督は自分が子どものころのレコードを、音楽担当のロビー・ロバートソン(元ザ・バンド)に探させたらしい。

イタリア系アメリカ人にとって「心の故郷」のような音楽なので、フランシス・フォード・コッポラ監督作品『ゴッドファーザー PARTⅢ』(1990)のシチリア歌劇場の階段でのメアリー・コルレオーネ(ソフィア・コッポラ)の悲劇的な死の場面へとつながっていく。

またデニーロが演じた主人公ジェイク・ラモッタは、ニューヨークのスラムに生まれ、父がイタリア系、母がユダヤ系という2つのマイノリティ民族の血を引く少年であり、生きることは絶え間のない戦いの連続だった彼もまた、少年時代に聴いていた音楽だったのだ。