人前は避けるべき!? 部下を注意する正しいタイミングとは

心のふきだし #18

真後ろから女性が叱責する声が聞こえてきた。矢継ぎ早に話す女性と、おどおどして答える男性の二人組のようだ。

平日の昼間、地下鉄銀座線に乗っていた。私が立っていた真後ろからその会話が聞こえてきた。大きな声ではなかったけれど車内はそれほど混んでいなかったので、何気なく耳に入ってしまう。私は前を向いているので彼らの顔は見えなかったけれど、声の様子だと若い男女で仕事の上司と部下、という関係のよう。

「だから、どうしてそういうふうになるのよ」と女性。
「説明しようと思ったんですけど」とややテンポが遅れて男性が答える。

詳細はもちろんわからないけれど、やたらとテレビとか番組、というワードが出てくる。テレビの制作関係の仕事をしているのだろう。クライアントからリクエストされたけれど、それが難しいということをクライアントに説明が出来ていない、さてどうしよう、という場面なのだろうか。

先輩女性は「いい? だから、そういうときは、私もそう思います。その考えに賛成です、と説明して! そして、申し訳ありません。自分の一存では決められないんです。◯◯(その女性のことらしい)、にも相談してお返事させていただきます、なのよ!」
「いい?私を悪者にしちゃえばいいの!」
「 “私もその考えに賛成です!” これ大事だからね」とたたみかけた。

一気にしゃべり終わった女性に対して男性は、またもやテンポが悪く「そうですよね」と、もごもご。

電車の中で上司に怒られるのはあまり気持ちがよいものではないだろう。この彼、大丈夫かしらと思いつつ、この女性、いいこと言っているかも、とも思いながら電車を降りた。無理難題を言うクライアントに「え〜そんなの無理ですよ」ではなくてまずは肯定!というのは大事なことだからだ。