熟成するほど良くなるのは、ワインと女だけじゃない!? 日本酒の一生も女の一生に似ています

佐渡からの日本酒通信 #8

「赤ワインと女性は熟成するほど良くなるんだよ」

酒業界の知り合いが、ワイングラスをかたむけつつおもむろに呟く。

初老にさしかかったその紳士はチラリとこちらに視線を投げて話していたので、しっかり熟成組に突入した私のことを慮っての発言に違いなく。わかっちゃいるけど、そう言われて悪い気はしないもの。

何故って、ワインの熟成と美味しさの相関関係については広く知られている話でございます。良い赤ワインは熟成することによって益々香り高く、まろやかに深く多様で複雑な味わいを醸し出す。若い赤ワインの単純で平坦な味わいとは比べモノにならない濃厚さ。

ワイン市場を見てもそのことは一目瞭然。完璧な状態で時を刻んできたヴィンテージには高い値がつき、多くのワイン愛好家の垂涎の的。そんな高値、もとい高嶺の花であるヴィンテージワインと同様に、女性も齢を重ねるのがいいと言う。

まさか私を口説いていらっしゃる? なんて色っぽい勘違いにしばし酔ってみたりして。どんなに高価な美容液より効果てきめんなセリフではないですか。

ところで一方、日本酒の世界。こちらでの相関関係は真逆が定説でございます。「新しい」が良いとされる向きがある。でもね、そんな日本酒にも「熟成」のめくるめく官能美があるってことを知ってほしいと思うのです。

そもそも「新しい」お酒とはなんなのか?