すべての道は京都に通ず-伝統文化を通して知る京都~加藤菜津子(「はづ合掌」若女将)Vol.1

奥三河の湯谷温泉で、「はづ合掌」をはじめ、4軒の旅館で若女将として切り盛りする加藤菜津子さん。

かつてはライターとして活躍し、旅館や日本の伝統文化についての執筆をすることが多かった加藤さんが京都に関心が向くようになったのは、お茶とお香を習い始めたからだという。

「“すべての道は京都に通ず”ではないですが、日本の文化は入口が違っても結局は都に辿りつく。正直、独特なペースや言葉づかいに、緊張するところもあるにはあるのですが、とにかく行かねばと、駆り立てられるものがあります」という加藤さん。

お茶やお香を嗜むようになって、京都に行くこと、知ることは避けては通れない必須項目になったようだ。ピーク時は月1〜3回くらい京都通いをしていたという加藤さんだが、やはり京都独自の人間関係や暗黙のルールなどになじむには多少時間がかかったという。

「最初は京都の人独特の言い回し、“それはええですなぁ”、“まぁ、おもしろいですなぁ”などがつかめなくて、ようやく、断られているとわかるとか(笑)。でも、だんだんと慣れてくると、ああした町の中で何代も生きてくには、そういうものも必要だろう、と、わかってきました。

そうすると、自己防衛と同時に相手への配慮を両立させたすごい処世術だなと。長い年月をかけて、何世代にも渡って築かれたその世界観は、私にはとても太刀打ちできるはずがありません。礼儀をもって、これからも京都の素晴らしい部分、美しい面を楽しまさせていただきたいと思っています