ひと味違うダニエル・エティエンヌ・ドゥフェが造る、恐るべきシャブリ!?

ワイン縦横無尽 #12

ワインを飲み始めて、誰しも真っ先に覚える名前がシャブリとボージョレ(どなたですか? シャトー・ラフィットとロマネ・コンティとおっしゃるのは?)。ゆえに初心者向けとの思いも強く、「今さら注文しづらい」とのたまう似非ワイン通がいても不思議ではない。

ところが彼の造るシャブリはひと味違う。ダニエル・エティエンヌ・ドゥフェ。写真どおりのお調子者だが、ワイン造りはいたってまじめ。輸入元の変更にともない来日し、四谷三丁目の「フレンチ割烹ドミニク・コルビ」で、ワインメディアを集めた小さな食事会を催した。

彼と初めて会ったのは4年前、プレストリップでシャブリを訪ねた時のこと。街中に人気漫画『神の雫』に登場する遠峯一青らしき人物のイラストを看板に掲げているから、いやでも目に付く。直売所とビストロ、ちょっと離れた場所にオー・リス・ド・シャブリというホテルも経営する。なかなかのやり手である。

それで彼のシャブリがほかとはどのように違うのかというと、今なお2002年や2003年という10年以上も昔にさかのぼるバックヴィンテージなのだ。しゃばしゃばした早飲みタイプが大半を占めるシャブリだから、10年以上も寝かせたら、もうくたくたにへたっているに違いないと誰しも思う。

だが心配は無用。これが驚くほどフレッシュで、生き生きとしたワインであった。「祖父の時代のシャブリはみんなこう。長期間寝かせてようやく花開く」とダニエル・エティエンヌはいう。