京都の中に見る、 茶の湯に通じる高い美意識~重松理(ユナイテッドアローズ名誉会長)Vol.2

Vol.1へ

業界きっての趣味人としても知られる、ユナイテッドアローズ名誉会長の重松理さん。京都鷹峯に私邸「洛遊居」が2018年竣工予定とあり、京都に特に縁が深い重松さんが教える、京都通になる秘策残り4つとは……?

 

2、二条より北の、静かな鴨川

「二条より北の鴨川の風景が好きです。鴨川から見る東山の風景が素晴らしく、ここは観光客よりも地元の人々が寛ぐような場所。犬の散歩をしたり、桜の季節は川沿いを自転車で走ったりしています。

二条から北山通りまでの間の鴨川が好き。二条から下の三条、四条といったエリアは料理やが鴨川納涼床などを出していることで有名ですが、その辺には全く興味がないんです」

鴨川

鴨川といえば、初心者は四条大橋付近の観光エリアを思い浮かべる事が多い。

が、重松さんが好きなのは二条から北山通りまでの静かな鴨川。このあたりは高級ホテルなどが並び、すっきりした景観だ。

西岸には加茂大橋下流で鴨川から分かれた小川「みそそぎ川」が流れ、東岸には「鴨川運河」の名残である水路が残っている。東岸の土手の上の遊歩道はレンガが敷き詰めてあるなど、歴史と自然を感じる癒しの散歩道だとなっている。

 

3、京都人、この複雑な人々

「やっぱり京都の人(京都に住んで仕事をしている人)は面白い。色んな人がいるけど、すごく癖がある人が多いです。だいたいは見た目が人の内面を表していることが大半ですが、京都ではそれが違うんです。アウトプットしているものがその人の本質と違う。

私の持論ですが、京都の人は大阪よりも商売人だといえますね。チャンスがあればかならず店をやってしまうような商売気があって、商売意欲が旺盛だといえます。それとは逆に、世をすねているというか世の中の動きとは全く逆の動きをしている人も多いけれど。京都の人は、知れば知るほど複雑で魅力的でもある。

また京都には、“何が美しいか”についてだけを考えている人たちがいる。

美という概念そのものについて、あんなに喧々諤々と話す人を京都以外で見たことがない。何かモノを見ながら美を語ることはもちろん、モノについての批評ではなく、自分なりの美の概念について語るのですから。

京都の人は美しいことを“景色”という言葉で表すことがあります。東京で“景色がいいね”と言うと、ただ眺望がいいねという意味なのだが、京都の人々のいう“景色がいい”とはモノと周りとのバランスを全体的に見て“最高に美しい”という意味合いなんですね」