世界遺産の山寺、谷あいの集落。郷愁を感じる昔ながらの素朴な京都。~カヒミ カリィ(ミュージシャン)Vol.1

1、明恵(みょうえ)上人と高山寺

「その昔、夢日記を書いたという、私の好きな明恵上人というお坊さんがいたお寺です。京都の山中にあるのですが、とても素朴で気持ちが落ち着くお寺です。抹茶も頂けます」

京都駅から車で小一時間。高雄の山中にある高山寺は13世紀はじめに明恵上人が再建した寺院で、世界文化遺産にも指定されている。国宝鳥獣人物戯画、明恵上人像など、歴史の授業でおなじみの貴重な美術工芸品を所有している。楓の古木が茂り、緑深い境内は国の史跡に指定されており、紅葉の名所としても名高い。

明恵上人は19才の時から亡くなるまでの約40年間夢の日記を書き続け、「夢之記」を残した高僧として知られている。石水院(国宝)は明恵上人の住居跡と伝えられていて、こけら葺の簡素な家は鎌倉時代の住宅建築をしのばせる。

高山寺は日本で初めてお茶が栽培された場所で、境内には「日本最古之茶園」の碑も立っている。現在でも茶葉を栽培して5月には茶摘みが行なわれている。きっと、寺でいただく抹茶の味は格別のはず。

人里離れた山に佇む静かな静かなお寺は、明恵の夢の世界に通じているような不思議な空間。

(世界遺産)栂尾山 高山寺 とがのをさん こうざんじ
〒616-8295 京都市右京区梅ヶ畑栂尾町8
TEL 075-861-4204

 

カヒミ カリィさんが選ぶ京都通になるための秘策、残り4つは【Vol.2】で。

text:Eri Koizumi

Photo:barman / PIXTA(ピクスタ) , ふくいのりすけ / PIXTA(ピクスタ)