かくして、ひとり飲みデビューの夜は続く

佐渡からの日本酒通信 #7

「ひとり飲み」が苦手な私が、とある地方都市の繁華街で趣のある日本酒バーにひとり赴いた夜。

通されたカウンターの席に座ると、まずは呼吸を整え、おもむろに店内を見渡しました。奥のテーブルには賑やかなグループが二つ。カウンターには二人連れが二組。誰もが話に興じながらお酒を楽しんでいらっしゃる。この雰囲気を壊さぬように、「ひとり飲み」を遂行せねばなりません。

まず、手に取ったのは酒のメニュー。酒の種類や詳細説明はもちろんのこと、イラストで色とりどりに蔵の場所を記した地図や蔵元の似顔絵まで書いてあります。なかなか手が込んでいるのが好印象。

なんと言ってもメニューを読み解くのは楽しい時間なのです。たっぷり時間をかけて選び、一杯目のお酒をオーダー。ほどなくガラスの酒器に60mlほどが入ったと思われるお酒が置かれ、優雅な(つもり)仕草で口に運びます。その瞬間、「ジュル、ジュルル……」。あたりに突然響き渡る小さな、しかし異様な音。

唎酒(ききざけ)というものをご存知でしょうか?