吉岡徳仁の「ガラスの茶室 – 光庵」は、透過と反射をくりかえして自然の中に息づいていた

デザインのミカタ #6

吉岡徳仁の「ガラスの茶室 – 光庵」の公開が延期されたという報せが届いた。京都市街を一望できる将軍塚青龍殿に設置され、この4月で公開終了になるはずであった。私が訪れたのは昨年6月。藝大の学生といっしょに行ってなめ回すように鑑賞した。これはぜひ原稿を書いてみたいと思っていたが機を逸したままだった。10か月前のことを思い出しながら、その魅力を語ってみたい。

ロケーションは最高に良い。京都東山の頂にある将軍塚市営展望台は京都の夜景スポットとして名高く、「ガラスの茶室−光庵」はその隣の天台宗 青蓮院門跡 将軍塚青龍殿の敷地にある。

2014年10月、国宝の仏画「青不動」を祀る青龍殿が建立・落慶され、同時に青龍殿から京都の街へせり出すように木造の「大舞台」がつくられた。その舞台の上に2015年4月「ガラスの茶室−光庵」が設置された。

(c)Yasutake Kondo
(c)Yasutake Kondo

ガラス茶室は、吉岡が2011年ヴェネツィアビエンナーレ国際美術展でデザインを発表して以来、5年をかけて実現したものである。将軍塚は、桓武天皇がこの高台から京都盆地を見おろし、この地こそ都にふさわしいと確信し、平安京造営を着手したとされる。いわば日本文化を象徴する京の都がはじまった地である。