西麻布『ビストロ・ド・ラ・シテ』で、一度は本物のビストロを体験して欲しい!?

クラシックなアール・デコのインテリアにフランスの絵画やポスターが飾られた店内、テーブルの上のカトラリーやグラスのゴージャスなこと。何もかもがパリそのものに思えた(まだ行ったこともなかったが)。

そして、初めて店に訪れてさらに驚いた。照明はほの暗く、隣のテーブルとの間隔も狭い。

店内はまるでアンティークショップか美術館か。ここだけ時が止まっているかのよう。

その濃密な空気に圧倒されながら、生カキを食べ、ウニのムースを味わい、舌平目のムニエルを平らげて……。ワゴンデザートから、思いっ切りデザートを頂いた。すべてに大満足だったが、そのお値段も飛び上がるほど!

オーナーの関根さんは「うちはビストロといっても、値段は高級レストラン並み、とよく言われました」と笑うけれど。それでもファンが途絶えないのは、やはり料理、ワイン、雰囲気の3拍子が揃っているからだろう。

「開店当時からあるのはシテ風サラダだけ。あとはシェフそれぞれに任せている」そうだが、そのシェフを選ぶ関根さんの見識眼がすばらしい。

「もちろん、料理の腕前は食べなくちゃわからない。何度も通うこともあれば、一発で決めることもある。でも、話しているとわかるんです。うちに合うか、合わないか」。

そして決め手は、1に好き、嫌いがないこと、2に柔軟性、3に声が大きいこと。親子ほど歳の離れたシェフに店の厨房を任せるのだ。シェフを決める作業は関根さんにとって“大きな賭け”になる。

シテ風サラダ2,800円。関根さんがオープン以来、これだけは変えずに残しているメニュー。ブルゴーニュのレストランで15,16種のサラダやお惣菜を山盛りで出す。 これ一皿でワイン1本は楽しめる。

初代・白鳥恒夫氏(『シラトリ』2013年4月閉店)2代目田村喜朗氏、3代目村上忠志氏、4代目信国稔大氏(二子玉川『レストラン・サレ・ポワレ』、5代目古屋壮一氏(白金『ル・カンケ』)6代目杉浦剛氏、そして現在7代目・江畑雄一氏。

江端氏に初めて会った時、「大丈夫か~?」と一瞬、戸惑った。彼の出でたちはストリート系のファッションにピアス。

新しい料理より、定番料理を追求したいという、江畑シェフ。

ところが、そんな疑いを持った自分が恥ずかしくなった。