最古の時計メゾン、ヴァシュロン・コンスタンタンの新作『オーヴァーシーズ』は、ジュネーブ・シールの矜持

なにしろ機械式狂いなもので #8

スイスの時計産業は、16世紀半ばにフランスからもたらされた。そのきっかけとなったのは、宗教革命である。

当時のジュネーブは、プロテスタントのローマと呼ばれるほど、宗教革命の中心地だった。そしてフランスで宗教的な迫害を受けていたキリスト教カルヴァン派(ユグノー)に属する時計師たちが、ジュネーブに新境地を求めたのだ。

それより先んじてジュネーブで確立されていた、宝飾や彫金の優れた職人技術と時計技術とが融合を果たし、同地に萌芽した時計産業は審美性も高めながら発展をしていくこととなる。

1886年11月6日には、ジュネーブ州の州会議によってスイス初となる公的検査局が発足。12項目に及ぶムーブメントに対する極めて厳格な手仕上げが定められ、これらを完璧に遵守すると、特別な刻印を押すことが許された。現在にまで続く、ジュネーブ・シールである。