『麗しのサブリナ』とリメイクの『サブリナ』、タバコを吸うか吸わないかの違いだけなのに出来は雲泥の差だ

オトコ映画論 #6

リドリー・スコット監督の『オデッセイ』は、画竜点睛を欠く、というかラストが惜しい。

昨今の嫌煙ブームで忘れていたのかもしれないが、ラストにNASAの管制官たちに『アポロ13』(1995) よろしく、「セレブレーション・シガー」をくゆらせたら最高だった。そのほうが彼を救うという達成感が半端なくあるからだ。

WHOが日本政府にタバコを吸う映画を「成人指定」に勧告するという。スタジオ・ジブリの『風立ちぬ』などが槍玉に上がった。

映画にとってタバコは最高の小道具であるはず。かくいう私も、ジャン=リュック・ゴダール監督の『勝手にしやがれ』(1959) を観て、タバコの吸い方に惚れ、ジャン=ポール・ベルモンドを真似てチェーンスモークをするようになった。

映画のベルモンドはまさしくフィルム・ノワールで主演したハンフリー・ボガートに惚れるわけだが、彼は指で挟むのではなく、葉巻を持つように摘んで持つ。たしかに彼のタバコの吸い方はえらくかっこいい。

ハワード・ホークス監督作品『脱出』(1944) で、女優ローレン・ バコールに「用があったら口笛吹いて」と言わせるのだが、 まさしくタバコを交換するようにして互いの火を点ける。

そうなのだ、タバコの火を点けると友情や愛情が始まる。