トスカーナの名湯バーニョヴィニョーニの温泉旅館と絶品キアニーナ牛のステーキ

オイシイ温泉 #4

イタリアで最も美しいといわれる温泉地「バーニョヴィニョーニ」。トスカーナ地方の中でも絶景が広がるオルチャ渓谷を見渡す高台にある小さな温泉地です。

古代ローマ時代から続く温泉町で、中世の面影がそのまま残る街の中心には源泉広場があります。ここは地下深くからこんこんと湧く源泉が注がれていて、大きな源泉の池になっています。

かつてはここで入浴することができたそうですが、今は石の回廊を歩いて眺める憩いの場所。ぶくぶくと源泉の音が響き、ミネラル豊富な源泉は見ているだけでもうっとり。

こんこんと湧きだす豊富な湯量の温泉はローマ時代から入浴や療養、健康法として利用されただけでなく、流れ出る温泉を貯水し、水車を回して粉を挽くというように活用されて、一年を通して豊かに生活できる夢の楽園でもありました。


この日の宿は源泉池のほとりに立つ“温泉旅館”、その名もアルベルゴ・ル・テルメ(日本語だと温泉旅籠)。

部屋の窓から「源泉ビュー」。その向こうには緩やかな丘陵が幾重にも重なるオルチャ渓谷、夜寝るときもぶくぶくぶく……と、源泉のつぶやきを枕に眠る至福の一夜でした。宿の奥には温泉をゆっくりと楽しめるテルメがあります。

ほんのりと硫黄が香るカルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉。アルカリ性のとろりとした温泉で肌がしっとりツルツルになります。

源泉温度は52℃と高めなので、たっぷりの源泉が滝落としになって注がれる浴槽は、海外にしては温かく日本人にとっても気持ちのいい湯加減。お隣に冷ためのクールダウンできる浴槽があるので、交互に入ってリフレッシュできます。

日本人はもちろんアジア系民族はわたし達だけでしたが、温泉にいる人々の言葉を聞くと、どうやら世界各国から極上の温泉を求めてここへ集まってきている様子。みんな代わる代わる修行僧のように源泉の湯滝に打たれて幸せな時間を共有しました。