モノがインターネット化した時、「よいデザイン」のモノはどんな姿形をしているのか考えた

デザインのミカタ #4

リコーの『THETA S』を使っている。全天球イメージ、つまり360°の空間の静止画および動画を撮影できるカメラである。今回はこのカメラのデザインを語りたい。

THETA S

マットな黒の縦長の筐体。その両側に球状レンズがついている。これを見て、モノリスにHAL9000が合体してると思うのは、私が昭和生まれだからだろうか。映画『2001年宇宙の旅』の冷たく知的な未来のイメージなのだ。

しかし触ってみると印象が変わる。手になじむように丸みがあり、表面の触り心地はしっとりしていて、ボディに丸みがあって手になじむ。レンズの下のシャッター部分はフラットになっていて、親指が添えやすい。

ボディの触り心地と、LED光がボディを透けるのは「インモールド成形」というプラスチック成形と同時にフィルムを転写する製法が使われているためだ。一見冷たいミニマムなフォルムのなかに、細部に至るまで計算されたデザイナーの温かい思いが凝縮されている。

と、モノのデザインを語るだけなら、こんな感じのテキストでデザインを語ったことになるだろう。しかし、ネットにつながった現代の製品はそれだけではデザインを語ったことにならない。