値上がりが心配!? マコネとムルソーの巨匠が手がけたコラボワイン

そして2012年、プイィ・フュイッセのシャトー・デ・カールが売りに出た際、今度はオリヴィエがドミニクに相談を持ちかけ、両者が共同出資してこれを買い取った。かくしてふたりのジョイントベンチャーワイン、「シャトー・デ・カール・プイィ・フュイッセ・テロワール・クロ・デ・カール」が誕生する。

「私は2003年からこのシャトーで収穫されたブドウを買っていました。畑のあるシャントレ村は粘土質が強く、一般には重いワインになりやすい。ところがこの区画は痩せてて表土が浅く、20センチ下は石灰岩の母岩があるという特別な土壌です。

喉から手が出るほど欲しかったが、敷地面積は4.5ヘクタールもあり、シャトー込みでしか売ってもらえない。莫大な資金が必要なので、30年来の付き合いがあるドミニク・ラフォンに電話をかけました。

”30分でいいから時間をくれないか。見て欲しい畑があるんだがね……”と。彼はやってきて畑を見るなり、”オレも一枚かませてくれ”と言ったんです」

と、当時の様子を振り返るオリヴィエ。

シャトー・デ・カールは収穫のタイミング、ワインの澱引き、醸造に使う新樽の比率まで、両者の合意のもと決められるという。その2013年ヴィンテージは、これがマコネのワインかと思うほどエレガントで気品があり、タイトな緊張感を伴う素晴らしい白ワインであった。

だがしかし、じつはこの日もっとも感動したワインはドメーヌ・オリヴィエ・メルランの「マコン・ラ・ロッシュ・ヴィヌーズ・ブラン・レ・クラ2013」。「カキーン」と音がしそうなほど、一直線で迷いのない味わいは、凡百なマコネでは得難い特質だ。

マコネの格付けが認められたならば、自分の所有する畑はすべて1級になるだろうと自信を見せるオリヴィエ。

レ・クラも、サン・ヴェランのル・グラン・ビュシエールも十分その格付けに価する。唯一の気がかりは、格付けによる価格の高騰。まだリーズナブルな今のうちに買い込んでおくべきかもしれない。

 

Photos:Tadayuki Yanagi

 

【Byron’s Pick Up】

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