アトリエを撮影した写真を見たあとは、モランディの絵がますます好きになってくる

この展覧会にモランディのアトリエ写真を提供しているPaolo Ferrariは自身のウェブサイト上のポートフォリオに一連のアトリエ写真ほか貴重な画像をアップしている。

http://www.paoloferrarifoto.org/archivio/displayimage.php?album=1&pos=9

次に、ライカ使いの名手として知られるGianni Berengo Gardinが撮ったモランディのアトリエ。

1993年、モランディ美術館内にモランディのアトリエを再現するためにアトリエ内のものが運び出されたが、その移動直前にアトリエを撮影し、1冊にまとめたのがこの写真集である。

オリジナル版は1993年にリリースされたが、2008年にニューヨーク近代美術館でモランディの展覧会が開催されたのを機に増補改訂版が出版された。こちらがそれ。

Gianni Berengo Gardin『Giorgio Morandi’s Studio』Charta刊 2009年

モランディのアトリエを撮影した写真家として、日本で最も有名なのはルイジ・ギッリだろう。イタリア文学者で作家の須賀敦子さんの全集(文庫版全集も)の装丁に使われたので、彼の写真は記憶にある人も多いと思う。

須賀敦子
『須賀敦子全集』河出書房。函入りハードカバー版と文庫版がある。

ルイジ・ギッリも数多くの写真集を出版しているが、その中の多くでモランディのアトリエの写真を繰り返し掲載している。

ギッリの写真に関する講義を口述起稿した本も出版され、日本語訳も出版されている。
講義は1989年1月から1990年6月にレッジョ・エミリアのプロジェクト大学で行われたもの。彼は1992年に亡くなっている。

ルイジ・ギッリ/菅野有美 訳『写真講義』みすず書房 2014年

基本は写真の講義なので色彩や構図をどう捉えるかなどが話の中心だが、アトリエの様子も描写されるし、画家の仕事場や仕事の名残を写真家が撮影することなどについても多くが語られる。

「まるで、モランディはまだそこにいて、たった今出掛けたばかりであるかのようでした。枯れた草花、空き缶、彩色されたオブジェ、リボン、セロテープ、いつも座っていた椅子。」

「イメージを創作しつづけたひとりの人物の記憶をテーマに制作をする機会にもなります。本質的にこれはひとつのイメージ――この場合は絵画の――について考察する写真イメージです。この仕事が面白いのは、諸芸術の間にありうる関係性の理解が必要となるからです。」   (ルイジ・ギッリ/菅野有美 訳『写真講義』みすず書房)

アトリエの写真をいくつも見たあとは、モランディの絵がますます好きになってくる。

 

展覧会情報:

ジョルジョ・モランディ―終わりなき変奏

会場:東京ステーションギャラリー
会期:4月10日(日)まで
休館日:月曜日(ただし3月21日は開館)、3月22日(火)
開館時間:10:00 - 18:00(金曜日は20:00まで開館/入館は閉館30分前まで)
入館料:一般1,100円/高校・大学生900円/中学生以下無料(20名以上の団体は300円引き/障がい者手帳等持参の方は100円引き、その介添者1名は無料)

http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201602_morandi.html
4月16日(土)~6月5日(日)岩手県立美術館に巡回

 

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